まずは神奈川新聞の記事です。

他人のパソコンを使って仮想通貨を「マイニング(採掘)」するプログラムを自身が管理するウェブサイト上に保管したとして、不正指令電磁的記録保管の罪に問われたウェブデザイナーの男性(31)=東京都武蔵野市=の初公判が9日、横浜地裁(本間敏広裁判長)であった。男性は「プログラムを設置したことは認めるが、ウイルスとは考えていない」と述べて起訴内容を否認し、無罪を主張した。

仮想通貨のマイニングをめぐっての摘発は全国で多発していますが、この事件が注目されているのは、正式裁判で争われているからです。

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今回の仮想通貨無断マイニング訴訟について

通常、同様の事案に関しては、不正指令電磁的記録保管の罪で略式命令で10万円の罰金で結審します。ただ、この被告の男性は略式命令を不服として正式裁判となりました。

被告の男性は、「設置したアプリは、他の人のパソコンを使って計算するもので、ウェブ広告と同じプログラムであり、被害を加えるものではない」と無罪を主張しています。

確かに直接的な被害はないかもしれませんが、マイニング処理をすることで、PCの処理に負担がかかり通常の業務処理が遅くなったり、それこそ電気代もかかる訳なので、被害が無いとは言い切らないと、個人的には思います。

不正指令電磁的記録に関する罪

今回の仮想通貨無断マイニング訴訟での嫌疑は、「不正指令電磁的記録に関する罪」になります。

この内容は

正当な理由がないのに、人の電子計算機(コンピュータ)における実行の用に供する目的で、刑法168条の2第1項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される(168条の2第1項)。同項各号に掲げられた電磁的記録とは、

  1. 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
  2. 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録

の2種類である。典型的には、コンピュータウイルス等のマルウェアが想定されているため、「ウイルス作成罪」ともよばれる[2]

正当な理由がないのに、1項1号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した場合も同様とされる(168条の2第2項)。

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この中身を見ると、「意図すべき動作をさせず」となっているので、動作をさせてバックグラウンドでマイニング処理を刺せていたのであれば、該当しないとも解釈できます。

この部分が被告の無罪主張の根拠になっていると思われます。

ただ、後段に「意図に反する動作をさせる・・・」の部分で、意図に反するという部分を「意図しない(同意しない)」とも読み取れるので、個々の部分が検察側の根拠となっているようです。

 

仮想通貨のマイニングとは

仮想通貨を手に入れる方法は、

・取引所で購入

・第3者からもらう

・マイニングする

この3つになります。

 

そして、マイニングには2つの役割がアリ、

・仮想通貨の新規発行

・取引の承認

の2つになります。

 

そもそもマイニングとは、

仮想通貨・ビットコインにおける膨大な計算力を必要とする作業のこと

ザックリ言うと、マイニングで新規仮想通貨を発行すると、その報酬が仮想通貨で支払われる仕組みになっています。

また、取引の承認処理は、その取引が正しいかを検証し、正しいと認められたデータを書き換えられないようにする処理になります。

この2つがマイニングになります。

 

で。これらの作業を行うには、膨大な処理がかかるの で、かなり高性能のコンピューターが必要になります。

ある意味、スピード勝負の部分があるので、マイニングの成功の可否はコンピューターの性能で決まるとも言えます。

一台のPCでマイニングとなれば大変ですが、ネットワークを介して他のPCで計算させることで1台当たりの負担を落としてマイニングをさせることで、仮想通貨を手に入れていたのが今回の事件の概要です。

この裁判の動向がどうなるか、注目していきたいと思います。

 

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